LOGIN7.
第七話 アキラの選択
アキラ手牌
三四六①②③③④⑤白白発発発 ドラ伍 東4局8巡目
西川アキラはここからアキラのアキラらしさが光る異端な選択を見せつけてくれた。
打白
これがアキラの選択だった。
選択5
迂回。
字牌の対子落としでローリング。当たってしまう可能性もあるが確率は高くない。その時はその時で。
(回したか、アキラらしいな)
そう思って見ていたマサルだったがアキラの選択はそれよりさらに深いものだった。
次巡
ツモ⑦
(テンパイ復活ならずか。まあそう都合よくはいかないよな、打白でイーシャンテンキープ)
見てるマサルはそう思った。しかし。
打発
(何っ!?)
これを見たコテツはこの時こう考えた
(白は強いから対子落としでの迂回だと思っていたんだが次は発だと? これは開き直って勝負してるな。打点は高いが整いきってない手からの反撃狙いってとこか。こいつ、多分振り込んで飛んじまうな。どうすっかな…… このままじゃおれは二着で終わっちまう。いやもし親が18000とか言ってきたら三着だ。いよいよこの局はおれが押してアガリに行かないと……か)
コテツはこの『発』で悠長に構えているとゲームセットになってしまうと確信した。のんびり見てる猶予はない。と。
普通の人にそれを見せても「ま、今回二着で次回頑張ればいいや」で、むしろ押してくれないがコテツはトップ率の化け物だ。そこに大きなこだわりがある。志とも言えるその男の意地。おれより上の着順など絶対に取らせない。と。その勇ましさこそがコテツの魅力だとも言えるし、リスクとリターンのバランスは結局取れていたのでこのやり方で勝てるのがコテツだった。
そのスタイルを完全に理解した上でのアキラの戦略。つまり。
選択6
押してると見せかけて降りる。
自分が飛んでしまうと都合が悪い人を焦らせて放銃させることへ繋げる。
考えてみればこれはこれで有効だ。いや、唯一の生き延びる道の可能性すらある。というのもダマ押しをしてジンギの当たり牌を捨てたとする。12000点のアガリだと着アップしないままフィニッシュになるため志の高いジンギはきっとロンしないはずだ。しかし見逃してもらったとしてもジンギはリーチしてるからその後はツモ専になってしまうわけで、結果ツモでもアキラを飛ばしてしまう。しかも、その間にコテツからも当たり牌が出る可能性もあるのにそこから当たることが出来ないようになってしまう。それよりは、アキラは自分視点でだけ安全性の高い牌をその都度探してコテツに(アキラは押している)と錯覚させる。そうすることでコテツからの当たり牌を引き出す手助けをして横移動で危機を乗り越える。
これがアキラの麻雀だった。
コテツ
打一
「ロン!」
ジンギ手牌
二三赤伍伍六七八③④⑤567 一ロン
「12000」
裏ドラは四。
つまり、高目ツモなら親倍だった。
ちなみに四はアキラが1枚持っているだけで残りは3枚が山である。ここでコテツが放銃しなければツモられていた可能性は高い。
トップ目の西家の商人Level35さんは親の連荘ではあるが最悪のパターンではなかったことにホッとして、放銃したコテツは12000は痛恨だがコレしかなかったと割り切れる結果に納得して、アガれたジンギはこの局で決めたかったという後悔が少し残るアガリにスッキリは出来ずにいた。
ただ1人、この展開を作るために手を崩して誘導したアキラだけが得点の上下は無かったにもかかわらず
(よし!)
と心の中でガッツポーズをしていた。
それを知っていたのはマサルだけ。
(この勝負。アキラが復活するかもな)そう思った。
その予想は大当たりで次局以降アキラが大物手をツモアガリ続けて──
ついに、オーラスにはアキラはトップ争いに参戦する。
(((なんでこんなことになった……)))
アキラの猛烈な反撃を受けて3人は困惑していた。逆転のきっかけがどこにあったのか全く分からなくて疲弊しきっていた。いま元気が出ているのはアキラだけ。
「チー」
「チー」
アキラの2度目のチーでテンパイした雰囲気が漂う。
「ツモ」
二三赤伍六七中中(123チー)(①チー②③)一ツモ ドラ中
「2000.4000」
「やられたあ」
「さすが先生だ」とジンギは椅子に深く掛けてフウーーと大きな息を吐いた。まるで今まで深海にいたような。息を止めて戦っていたかのような吐息。
「2卓ラストです! 優勝C席会社失礼しましたー!」
麻雀にはこの手合い、この局、この巡目、この点差でなければ意味のない戦略というものがある。それらは水ものであり二度と同じ選択が有効になったりしないことだったりもする。その難しい答えを導き出したアキラの戦略勝ちだった。これだから麻雀は楽しい。それにこの商人さんも強かった。
「さ、次行こうぜ」
至高の麻雀は時を忘れさせる。男達の高い志のぶつかり合いにジンギはただただのめり込んでいた。それが富士2号店という店なのであった。
「2卓の皆様よりゲーム代いただきました! ありがとうございます! 次回も優勝目指して頑張って下さい!!」
51.二章 最終話 好みの切り その後も桐谷は萬屋や並木さん。新田や椎名といった一流や超一流の打ち手の後ろ見をして徐々に作品を作っていった。 彼らの麻雀は本当に面白かった。ある時は3面待ちになれるものをシャンポンに受けて狙い撃ちしたり、ある時はとんでもない遠距離から仕掛けてチンイツに仕上げたりと魔法のような麻雀だった。 彼らの麻雀を見てからというもの自分が麻雀をしてる時もただ漫然と打つのではなく彼らだったらと考えて、どうすれば彼らの麻雀に近いだろう。何を切ったら劇的展開になるだろうという事ばかりが頭に浮かぶようになった。 作品作りを頼まれて以来、家にいても仕事してばかりになった桐谷。「ススムくんまた仕事してるの? ずいぶん勤勉になったわねえ」「元からだよ。凝り性なのは生まれつきさ。ただそれが今まではギャンブルに凝ってただけ」「まあ、真面目に働いてくれて良かったわ」「今までは真面目にギャンブルしてたからなぁー」 そして月日は流れて……「できた! ビデオドラマ完成だ。記念すべき第1作目!」「タイトルは?」「『雀荘流浪物語』だ」「なんか、ちょっとそのタイトル男臭すぎじゃないですか? ラブコメ要素もある内容でしたよね」「じゃあどんなならいいんだよー」「えっ、分かんないけど。もっと平仮名を入れるとか?」「『雀荘るろう物語』とかか?」「あ、少し良くなった気がする!」「雀荘ってのがあまりな~。雀荘抜くか」「『るろう物語』じゃ何の話か分からんな」 あーでもない、こーでもない、あーだこーだ タイトルがイマイチ決まらず話し合いは延々と続いた。そして。「よし、もういい、各自の宿題にしよう。家でゆっくり考えることにして今日は解散!」──────後日「タイトル決めてきたかー?」 タイトルの発表会が始まった。 色々な案が出たがどうにもイマイチ。各々が考えたタイトルはどれも満場一致するような全員がピンと来るセンスのものは出なかった。そして桐谷が発表する番になった。「タイトルは『あなた好みに切ってください』略して『あな切り』です」「ほう、そのこころは?」「はい、この麻雀ドラマは毎回絶妙なバランスの手をクローズアップしてます。正着打の追求ではなくプレイヤーの個性が光る一打を取り上げて作ったそれがこのドラマの見どころなはずです。つまり
50.第三話 富士の萬屋 おれはアイデアを得る為に兎にも角にも雀荘へと行った。凄腕の麻雀を見ていれば何かひらめくかもしれない。 というわけで、今日は並木さんが働いているという雀荘『富士』に行ってみることにする。────「いらっしゃいませ!」 元気よく挨拶をしてきた人物はまだ若く見えるがこの店を仕切っているようだった。並木さんもいた。「お、いらっしゃい。久しぶりだね、桐谷さん」「並木さん、お久しぶりです。今日は麻雀を打つより後ろ見がしたいんですが……いいですか? もちろん、多少は打っていくつもりですけど、並木さんの麻雀が見たくて」 後ろ見は基本的に禁止している店がほとんどだ。断られても仕方ないが……どうだろう。 すると。「私と並木さんの間からなら見ても構いませんよ」と店主らしき男が許可をくれた。「あ、ありがとうございます」 場面はもう南入していた。店主と思われる男は持ち点が少なく、オリてはいられない場面。しかし、北家が役の見えない仕掛けをしていてテンパイ気配。そこに最も危険と思われる生牌の北を引かされてしまった。ドラは①。店主手牌 南家三三四四伍六④⑤34678 北ツモ(この手、北は押すのかな? かなりの確率で北がもう当たりな感じだけど、でも、オリててもジリ貧なだけ。どうする)打四(保留ね。北はさっさと切るもなにも、もうテンパイしてそうだもんね。テンパイしてから腹くくって勝負か)
49.第二話 脚本家「――というわけで昨日は朝まで麻雀観戦してたんだ」「朝までずっと? 見てるだけでそんなに楽しいの?」「見てるだけって言うけど、麻雀はむしろ見てる側の方が楽しいこともあるんだよ」 それは本当にそうで、今回のトップ目が配牌10種を流さなかった局も、後ろ見していたから(あ、流局だ)と絶望してからの11種目を第一ツモで引いたことによる流局回避だったと知ることができるわけである。手が進んだことによって無いはずの局が生まれたなんて面白いじゃないか。「まあ、とにかく何だっけ? ニッタさんって言ったかしら。仲のいいお友達ができて良かったわね。でも、私のことも忘れないでよ。同棲するって話も忘れてないよね?」「もっちろんだよ。物件探しはマイの次の連休に合わせるつもり」「やった! 約束だよ?」「うん、約束だ」──────ピロン 新田からメッセージが届いた。“よう、おれの麻雀は面白かったかい? ところで、桐谷君が麻雀を見るのが大好きってことは今回で理解した。そこでだ、そんな桐谷君にピッタリの仕事があるんだが、興味あるかい?” 仕事の話か。でも、麻雀観戦が好きだとピッタリな仕事ってなんだ。わからないが、新田は悪い奴じゃない、きっとまともな仕事な気がする。“その仕事。ちょっと興味がある。詳しく”と桐谷は返信した。すると――ピロン“麻雀のビデオドラマ作成スタッフが足りてないんだ。見てる側が興奮するよう
48.ここまでのあらすじ ギャンブラー桐谷進は新田忍という若者に誘われて原木中山(ばらきなかやま)駅へと行った。そこには民家を改造した雀荘があり、腕を認められた打ち手しかここには誘われないという。気を良くした桐谷は調子良く打っていたが、そこに大地震が発生した。【登場人物紹介】桐谷進きりたにすすむ主人公。プロのギャンブラーではあるが麻雀だけはまだ未熟。最近はちょっと上手くなってきたかも?長根尾舞ながねおまい桐谷の彼女。美容室『エクセレントヘアー』のスタッフ。背が低く、顔立ちも幼いので若く見られがちだが実はエクセレントヘアーいちのベテランである。新田忍にったしのぶ紹介制雀荘である麻雀『友』の営業係。いい腕してるなと思った人を誘ってくる役。盲牌が得意で手先の感覚が常人離れしている。その3第一話 見る楽しみ 気がついたら長根尾舞からの着信が何回もあった。それはそうだ、大地震だったのだから。「ちょっと、電話してきていいですか」「あ、じゃあおれも」「おれは帰ってこいってさ。今日はもうだめだ」「ま、この大地震じゃね。お開きにしますか」「まだ余震もあるしね」 そんな流れで桐谷の方の卓は潰れてしまった。一方、新田の打っている東風卓は麻雀狂いの集まりなのか地面が揺れたところで解散するような連中ではなかった。 桐谷はマイに連絡を入れようとしたが電話が繋がらない。回線が混み合っているのだろうか。よく見たらマイからメッセージが届いていた。“無事なの? 私は大丈夫。心配してます” 通話がいつまで経っても繋がらないのでメッセージだけ残すことにした。“おれは大丈夫、全く問題ない。マイが無事なら安心した” しかし、どうしたものか。桐谷の家まで帰れる終電はもうない。(ま、いいか。とりあえずここで待つことにしよう)「すいません、後ろ見ってしてていいですか?」「椅子に座って少し離れた位置から見る分にはいいですよ」 そう言うと明子さんは丸椅子を持ってきてくれた。桐谷は新田の手を見て勉強することにしてみた。東3局親 新田16800点持ちラス目の配牌新田手牌 切り番二三四②③③④④⑥⑥3446 ドラ②打6 とんでもない配牌が来てる! しかし…… 下家の配牌が酷すぎて、それゆえに下家は逆についていた。下家 43000点持ちトップ目配
47.第十話 あえてのハイテイ回し 地震による小休止があったがリョースケの南場の親番からまたゲームは再開された。しかし、どこか緊張は緩みリョースケはふと無造作にドラの⑧筒を捨ててしまう。すると「ポン」(あっ、しまったーーって言ってもこんなん持ってらんねえのも事実。結局いつか切るしかないんだし、まあいいか)という顔をしている。瞬間の表情変化だが、おれにはそう見えた。 その数巡後――「リーチ」 リョースケの攻撃だ、そりゃそうだろう。ぐちゃぐちゃからドラを切ってきたわけはないのだから。しかし!「ポン!」 西家も負けじとポンで参戦! ドラポン者もいてリーチ者は親だと言うのにだ。さすがはこの店で打つことが許されているメンツだ。そう簡単に降りてくれない。 だが3人が前に出てきたにも関わらず当たり牌は北家に吸収されていき、決着がつかないまま終盤になっていった。 親のリョースケの最後のツモ番――ツモ5 5索はリョースケもおれも捨てている牌である。打5 この時どこかホッとした表情をしたのをおれは見逃さなかった。「チー」打8「えっ!」 一度は捨てた牌をチー。しかもそれによりリーチしてる親にハイテイが回る。こんな鳴きってアリ? みんなそう思ったと思う。しかし、おれには自信があった。(これは鳴いた方がいい)と。「変な牌持ってくるなよ~」とリョースケは言いながらハイテイ牌を引く。 最後のツモは大きなピンズの感触。これはわかりやすい。盲牌でもすぐわかる①筒だ。おれの仕掛けはタンヤオ本線なので(これは大丈夫だな)とリョースケは安心して切る。が。打①「ロン!」「まじすか!?」桐谷手牌六六②③567(45チー6)(⑧⑧⑧) ①ロン「8000」「そっ、それ。前巡の5索チーってしなくてもテンパイしてたやつじゃないですか??」 そうなのである。5索は鳴く前も456678でテンパイしていた。それをわざわざ鳴いてさらに親にハイテイを回したのだ。「①はまだ山にあると思った。でもハイテイならアガれるけど北家さんは降りてるから期待できませんよね。なら自信なさげなリーチ者にハイテイ引かせちゃえばチャンス広がるかなって」「やられたー」39000点対30000点 ついに9000点差まで追い詰めて受け取った配牌は――「リーチ」 ダブリーだった。
46.第九話 ギャンブラーという人種 東場が終わり南入したそのタイミングで勢いよく大地が『ドン!』と縦に揺れた。「わわっ! 地震だ! デカいぞ!」 直下型地震だった。震度5くらいだろうか。大きな縦揺れでサイドテーブルの飲み物が倒れた。しかし麻雀牌はと言うと……ガッシリ だれか指示したわけでもないのにおれ含め全員が自分の手牌を伏せて自分の前の牌山を倒れないように押さえていた。誰一人避難しようとかはしていない。バカである。 それどころか東風戦の卓の方などは揺れが弱まるやいなや片手を離して手牌を全員伏せたまま盲牌でゲームを続行したのである。(スッゲ…… 誰も手牌開いてないよ。ていうか少しは確認しないのかな)「リーチ」(げえっ! 新田のやつ。伏せたままリーチまでしたぞ!) こちらの卓は揺れが収まってきたので溢れた飲み物を拭いたり、ハンガーごと吹っ飛んだ上着を拾い上げて綺麗にはたいたりと、ゲーム再開はまだせずに小休止にしているのに。 東風戦をやる奴らはせっかちだと聞いてはいたけど、それにしてもなんて連中なんだ。サイドテーブルにぶちまけたコーヒーが気にならないのだろうか。「一発、ツモッ」新田手牌二三四①②②③③④4588 3 ドラ⑤ 裏ドラをめくる。②筒だ。「裏裏でハネセンゴ」「ハネセンゴだあ? 新田おま、ふざけんなよ。その3-6索待ち、場に5枚切れてんだろが! 普段それリーチしねえやつじゃねえか」「伏せたままテンパイしてリーチっていうのがカッコいい気がしてやったんだろ。それ以外理由ねーもんな。マジで迷惑なタイミングで揺れやがって。地震ぶっころす」「おいおい、そんなくだらない理由でおれは6000失点するのかよ。揺れてなきゃピンヅモの700失点で良かったものを」「ふふふ。天はおれに味方した!」「どっちかってーと天じゃなくて地だけどな。味方したの」(たしかに)「とにかく、3000.6000の3枚っす」「ついてんなぁ新田くん」 東風卓で新田がラッキーハネマンをツモったのを見届けると東南卓もゲームを再開した。 余震はあったが始まってしまった戦いを最後までやり切らないという選択肢はここにいる誰にも無い、というより思い付きもしない。それがギャンブラーという人種なのだった。
29.第二話 ナガネオさんとの出会い 美容室『エクセレントヘアー』は外観からは想像できないくらい店内は広かった。「いらっしゃいませ。お名前を記入して待ち席でお待ち下さい」 3人ほどおれより前に待ってる人がいたが、この店内の広さからしてそんなに待たされる事はなさそうだ。────「お待たせしました、桐谷さま。2番へご案内いたします」 ほんの10分待ったくらいで呼ばれた。「本日はありがとうございます。桐谷さまを担当させていただきます長根尾(ながねお)です。よろしくお願いします」「ナガネオさんね。よろしくお願いします」 変わった苗字だな、と思った。それと同時に、とんでもなく可愛い
28. ギャンブラー桐谷ススムは真面目で勉強熱心なプロの勝負師だ。 ある日、彼の住む田舎町に新しい美容室がオープンした。そこにはとても可愛い人が働いており、桐谷は一目で惹かれていった。これは、ギャンブラー桐谷の一途な恋の物語――二章 あなた好みに切ってください~桐谷進の生き方~その1第一話 ギャンブラー桐谷 鏡を見てふと思う。(髪、伸びたなあ) おれは桐谷ススム。ギャンブラーだ。いつも乗るかそるかの博打を打ってその日暮らしの生活をしてる。性格は温厚でいたって真面目だと思うが仕事内容はギャンブルである。そんなばかなって? いるんだよ、そういう生き方の人間も。 というより、真
27.ジンギ! エピローグ 麻雀烈士英雄伝 ――数年後 西川アキラは南上コテツを主人公にした青春小説を大ヒットさせ麻雀作家として成功する。 それは空前絶後の超大ヒットでアキラはまさに先生になったわけだ。 その成功で得た財産を使用して今度は私設リーグ『プラスアルファリーグ』を設立。 その舞台にジンギも立つ事になるのはこの時点ではまだまだずっと先のお話。「しゃあ! 今日も打つぜえーー! 行くぞ!」「おれだって今日こそは勝つぜ?」「おっ、コミさんか。今日はいい勝負になりそうだ」『コミさん』とは小宮山源(こみやまはじめ)。商人Level35だった彼である。彼も今はグングン力をつけ
26.一章 最終話 大切なアイテム 激闘の末に蘭を打ち負かしたその日の夜のこと。…ジンギ、ついに神戸蘭を超えましたね。 かもしれないし、今回のは偶然かもしれない。…あら、そんな風に思えるようになったなんて、ずいぶんと成長したんですね。驚きです。 うっせ、でもそうだな。不思議だけど、麻雀を鍛えれば鍛えるほど、勝つってことがどれほど偶然なのかがわかるようになった。こんなもんは絶対に支配できない。その偶然の中で、いかにしてチャンスを掴むか、勝てるルートを見落とさないか、勝利のその可能性を最大限に出来るか。そこまでがプレイヤーにできること。そう思ったんだ。…そうです。その上でプロプレイ